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松岡晴香/追蹤録

昨今のいわゆる「着エロ」ジャンルの作品にあっては、ほぼ全裸に近いモデルの扇情的描写が延々と続く明け透けな表現が主流といってよく、本編中で演者が着衣を乱しながらも悉く局所を隠し通すというような慎ましやかな演出、“隠秘のエロス”とでもいうべき趣きは殆ど排除されている。シースルー衣裳や水濡れによる「透け」の演出に於いても「微かに見え隠れする」といった、視聴者が抱く「未達成のフラストレーションから生起される渇求的高揚感」は全くといっていいほど考慮されておらず、モデルの挙動には露出への逡巡すらなく放胆極まりない。作品の極点ともとれる未着衣の開脚シーン等では、局部を押隠すことなく画面全体のトーンを唐突に暗くし、表現上不適切な部位の開示を阻止するという型破りな編集手法も散見されるが、同時にモデルの表情確認すら叶わないトリッキーな技巧は、映像作品として本末転倒ともいえる。


松岡晴香の作品群は「暗転手法」の使用こそ見られないものの、一様にこうした近年のフォーマット、メーカーの流儀に準拠した作風となっている。デビュー作こそ冒頭部に初々しさを醸す演出がなされているとはいえ、次チャプター以降はジャンルの本流から逸れることない露骨で誇示的な表現スタイルの繰り返しとなる。彼女の出演作としては現時点で7作品がリリースされている。昨秋に予告なく自身のツイッターアカウントを消去、アカウント消去前に撮了に言及していた「晴香のワガママ」のリリースを以て実質上の引退と考えられる。



 
 

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